2015年04月14日

【声劇用台本】幼馴染

京 裄哉(カナグリ ユキヤ ♂)
明石 菜穂(アカシ ナホ ♀)


naho01:『ねぇ、ゆっきー?』


yuki01:(M)俺の名を呼ぶ声がする。

目を開けたくない。

眠気に身を任せていたい。


でも俺の名を呼ぶのが「彼女」の声だから、俺は目を開ける。

俺を見ている彼女の顔を、寝ぼけ眼で見つめる。


naho02:『ゆっきー、また寝てるの?』


yuki02:「……うん。 昨日、夜遅かったから」


naho03:『また…小説書いてたの…?』


yuki03:「うん……」


naho04:『そっか…あんまり無理、しないでね?』


yuki04:「分かってる…」


yuki05:(M)ふと教室の壁に掛けられた時計に目をやる。

もう5時を少し過ぎていて、教室に居るのは俺と菜穂の二人だけ。



yuki06:「菜穂…こんな時間まで何してたの?」


naho04:『ぶ・か・つ 教室に忘れ物したから取りに来たんだよ?』


yuki07:「そっか…」


naho05:『ねぇ、ゆっきー』 


yuki08:「ん、なに…?」


naho06:『一緒に…帰ろ?』


yuki09:(M)俺が荷物をまとめてる間、菜穂は窓の外を見ていた。

夕日はだんだん沈んでいこうとしてる。


yuki10:「じゃ…帰ろうか」


naho07:『うん』


yuki11:(M)学校の近くの並木道を二人で並んで歩く。

付かず離れずの距離が少しもどかしい。


yuki12:「あ。 落ち葉…」


naho08:『ひらひらしてるね…?』


yuki13:(M)それだけ呟くと、しばらく無言になる。


naho09:『ねぇ…ゆっきー 覚えてる?』


yuki14:「何を…?」


naho10:『昔はこうやって、学校の帰り道、2人で帰ってたよね』


yuki15:「そう…だったな」


naho11:『でも…2人とも高校入ってからは、部活とかで一緒に帰ることも少なくなったよね…』


yuki16:「うん…そだね」


yuki17:(M)それから、またしばらく2人で歩く。


naho12:『あ、ゆっきー』


yuki18:「何?」


naho13:『葉っぱ…付いてるよ、肩に』


yuki19:「え…マジで?」


naho14:『取ったげる…だから、動かないで?』


yuki20「…うん」


yuki21:(M)俺の右肩に彼女の細い指が触れる。

触れられたところが、ほんのりと熱を持ったような感じがした。


yuki22:「なぁ…菜穂」


naho15:『なぁに? ゆっきー』


yuki23:「昔みたいに、さ…」


naho16:『……うん?』


yuki24:「手、繋いで帰ってみない?」


yuki25:(M)そう呟いて、そっと菜穂の方に手を差し出す。


naho17:『え……良いけど、なんか恥ずかしいよぉ』


yuki26:「はは……。 そう…だよな」



yuki27:(M)俺が差し出した手を引っこめようとすると、


naho18:『ほら、手、繋ぐんでしょ?』


yuki28:(M)菜穂も恥ずかしそうに、俺の方に少しだけ手を差し出してくる。



yuki29:(M)俺が菜穂の掌に指を絡めると、菜穂は俺の指をぎゅっと握ってくる。


naho19:『ゆっきーの手、あったかいね 昔と全然変わってないや』


yuki30:「そう…なのかなぁ…」



yuki31:(M)それからはもう、言葉を紡ぎ出す勇気が出なかった。

こうして菜穂の手のぬくもりを感じてる時間が、たとえ沈黙でしかなくても、永遠に続いてほしいと願った。


naho20:『ねぇ…ゆっきー』


yuki32:(M)何かを思いつめたような菜穂の声が、風のない並木道に響く。

菜穂が俺の指を握りしめる力が、少し強くなったのを感じる。


yuki33:「…どしたの?」


naho21:『あたし……好き…なんだ……ゆっきーのこと』


yuki34:「え……菜穂が…俺を…?」


naho22:『…うん。 気付いて…なかった?』



yuki35:(M)そんなことはない。

菜穂はいつも俺に優しく接してくれた。

だから俺も…菜穂にはすごく好意を抱いていたんだけど。

正直、それが「恋愛感情」なんだって、今まで気付けなかった。


yuki36:「気づいてなかった訳じゃないよ…」


naho23:『そか。 バレバレだったかな?』


yuki37:「いや……そんなこと…」



yuki38:すると菜穂が俺の手を離して、俺よりも数歩前まで小走りに駆けていく。

そして俺の目をじっと見すえる。



naho24:『好き…だよ? ゆっきー』


yuki39:「俺も……」


naho25:『え……?』


yuki40:(M)「俺も…菜穂が好きだよ。 この気持ち、まだうまく説明できないけど…」


yuki41:呆然として立ちつくす菜穂を、正面からぐっと抱きしめる。

菜穂の身体が、小刻みに震えているのが分かる。


naho26:『ううん…もう、何も言わなくていいよ…?』


yuki42:「菜穂…?」


naho27:『このまま…少しだけ…ぎゅーって、抱きしめて?』



yuki43:(M)そう言うと、菜穂は目を閉じて、俺の肩に身体を預けてくる。

俺も、そんな菜穂をしっかりと抱きしめた。


それからしばらくして、菜穂が俺の耳元でささやく。


naho28:『ねぇ、ゆっきー』


yuki44:「なに…?」


naho29:『手、繋いで帰ろっ?』


yuki45:「うん」


yuki46(M)今はもう何も考えたくない。

俺を見て笑ってくれる菜穂が、俺の隣に居てくれること。

それだけでもう何も要らない…。


posted by UGP広報課 at 11:07 | Comment(0) | 声劇台本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【声劇用台本】明日世界が終わるとしたら貴方はどうしますか?

明日、世界が終わるとしたらあなたはどうしますか?
written : Et ceterA

[台詞数]

*girl / 21
+girl / 18
/boy / 19



*girl : 私なら、とりあえず何か目立つ事するかなぁ。

+girl : 結構アバウトだねぇ。

/boy : てか、なんだそれ。

*girl : いやー、だってどうせ最後なら人の記憶に残りたいっていうか。

/boy : 明日で終わるのに、人の記憶に残ったって意味ねぇだろ。

+girl : それもそうだよね。全部終わっちゃうんだもん。

*girl : う、うっさい!なんていうか、ほら、自己満足的な意味で!

/boy : くっだらねー……。

*girl : うっさい、あほ!

+girl : うーん…私はあなたらしくていいと思うけどね。でも私なら、原因を突き止めるかなぁ。

*girl : 原因?

/boy : 明日だろ?時間足りんのかよ。

+girl : そう思うのが私だけじゃないかも知れないじゃない。

*girl : そっか!同じ考えの人同士で集まって、皆で原因を探せば……!

+girl : 防げるかも知れない。

/boy : それにしたって、何処から手を付けたらいいか分からねぇのも事実だろ。原因究明して、その後に実際に止めに行かなきゃいけねぇんだ。どう考えたって時間は足りない。

*girl : …ったく、もう!どうしてあんたはそう全部否定するのよ!

/boy : その仮定がまず成り立たねぇから。

*girl : は?

+girl : ふむ。……と、いうと?

/boy : 明日世界が終わる。……そもそも世界ってのはどんな括りだ?

+girl : ……あぁ、そういう事か。なるほどね。

/boy : そーゆーこった。

+girl : でもまぁ、その辺りを少し妥協して想像してみるのも悪くないと思うな。

/boy : 納得できる仮説なら考えないこともねぇ。

*girl : ちょ、ちょっと!二人だけで納得してないで私にも教えてよ!

/boy : ばーか。

*girl : なによー!

+girl : 落ち着いて落ち着いて。……つまりね、地球が滅亡したとしても世界が終わる訳じゃないって事なの。

*girl : ……うん?

+girl : 地球が滅亡して人類が死滅しても、宇宙は存続するでしょう?

*girl : そっか、それじゃ世界が終わった事にはならないね。

+girl : 世界の括りを宇宙にしたとしても、宇宙は途方もなく広くて、まだ解明されてないじゃない。

/boy : "宇宙の外側"って話な。

*girl : 宇宙の外側…?

+girl : あー……この辺は科学要素が強くなっちゃうから、科学の時間に先生に習おう。

*girl : はぁい。

/boy : つまり世界って枠組みを明確に出来ない以上、この仮定は成立しないってこった。

*girl : なるほどね……。

/boy : お前、本当に分かってるのか?

*girl : あんまり。

+girl : まぁ、一種の屁理屈みたいな物だからね。仕方ないよ。

*girl : あ、屁理屈なんだ?

/boy : 屁理屈って言うな。理論といえ。

+girl : 頭良い人は固ーく考えがちだからね。仕方ない。

/boy : なんで俺が馬鹿にされてんだ……?

*girl : でもさ。私は、私の知ってる人達がいる私の目に見える範囲が、私の世界だと思うな。正直、顔も名前も見た事無い人達の為に頑張ったりは出来ないと思うもん。

+girl : まぁ、それもそうなんだけどね。

/boy : だからお前は馬鹿なんだ。

*girl : はぁ?もう一回言ってみなさいよ屁理屈馬鹿!

+girl : はいはいはい、喧嘩しないの。子供じゃないんだから。

/boy ・ *girl : ご、ごめんなさい…。

+girl : ほら、授業始まるから行くよ。

/boy : おう。

*girl : はーい。
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【声劇用台本】放課後

放課後1

据木 東間(スエキ トウマ ♂)
森梨 笙子(モリナシ ショウコ ♀) 




touma01:さて…今日もだるい1日が終わったことだし…帰ろっかな…

touma02:(M)大して荷物の詰まってない鞄を持って教室を出ようとすると、後ろから呼び止められた

syoko01:据木君……ちょっといい…ですか?

touma03:顔を見たことはあるけど、言葉を交わしたことはない…おとなしい子
    彼女―森梨さん―はだいたいそんな印象の子だった
    僕が少しいぶかしげな目線を向けると、彼女は少し怯えたような反応をする

syoko02:あ…ごめんね? 今、忙しい?

touma04:いや…特には…
    で、僕に何か?

syoko03:うん……  
    でも、ここじゃ人目もあるし…
    もしよかったら…屋上まで、来てくれませんか?

touma05:(M)そう言い残し、彼女は一目散に教室を飛び出して、屋上に続く階段を駆け上がっていった
     なにか腑に落ちない展開に疑問を感じながらも、僕もゆっくりと、屋上への階段を上る


touma06:(M)錆びついてなかなか開かない屋上のドアを一発蹴りを入れて開けると、彼女はフェンス越しに下界を眺めていた


syoko04:据木君…来てくれて、ありがとう…

touma07:別にいいけど……で、何か用かな?

syoko05:突然だけど……服、脱いでもらえませんか?

touma08:は!? え……なんで?

syoko06:上だけでいいですからっ!! お願い!! 理由は聞かないで!?


touma09:(M)彼女の眼は、見た感じ、本気だった…  情けなくも、その気迫に押されてしまう


syoko07:ボタン……外しても…イイかな?

touma10:(M)俺が言葉を返せないでいると、彼女の指が俺のYシャツのボタンへと掛かる

touma11:ちょ!! 待って!!


touma12:(M)ピタっと彼女の動きが止まる  指…白い…それに、細い…

touma13:あ、あの……俺、なんで脱がされてるの…?

syoko08:えっ…えぇー、っと……その……怒りませんか?

touma14:ごめん……理由聞くまで…分かんないんだケド…

syoko09:はうぅぅ…ですよねぇ……

touma15:(M)彼女は今にも泣き出しそうな表情で怯えている


touma16:あーー とりあえず、怒らない
    怒らないから……教えてくれる?

syoko10:……はい…。 えぇ…と、私…美術部なんです

touma17:うん……

syoko11:それで…今度、部の展覧会があって、そのために作品を描かなきゃならなくて…
    題材が…その…「自分の好きなもの」で……それで……


touma18:(M)彼女はそう言ったきり、うつむいてしまった。

syoko12:それで……それで…据木君、だったんです…
    今回の展覧会で、私たち3年生は引退するんです…だから……
    最後の最後は…自分が一番、描きたいって意欲の出る絵が…描きたいな、って…思って…

touma19:よく分かんないけど……俺の絵が描きたかった、ってこと?

syoko13:……はい、そう…です
    

touma20:(M)そう、かぼそい声で呟いた彼女が、ふと顔を上げる
    じっと…見つめられる


syoko14:好き…だったんです……据木君のこと
    って…イキナリこんな事言われても…迷惑ですよね…?  ごめんなさい…

touma21:いや……別に迷惑とか…そんなん、思ってない
    ただ…ちょっと突然で戸惑っただけ…

syoko15:私…性格暗いし……今までクラスでも目立たない存在で…
    だから…据木君とも、あんまり話したこと、なくて……好きって気持ちも、言えなくて…
    展覧会の日は一日ずつ近づいてきてて……でも上手く描けなくて…
    それで…イキナリ、こんなところに呼び出しちゃったんです…

touma22:そっか…そんな理由があったんだ


syoko16:はい……
    でも…ごめんなさい、です
    突然…服、脱がせたりなんかしようとして…私……

touma23:もしかして……ヌード…なの? その絵って…

syoko17:ち、違いますっ!!
    イメージだけじゃ…上半身の骨格が上手く描けなくて…それで…

touma24:ふぅん…
    その絵って、俺も見ることって出来る?

syoko18:あ…展覧会に出して戻ってきた後なら……

touma25:そっか…楽しみにしてる


syoko19:据木君…怒らないんですか? 私のこと…

touma26:ん? 怒らないよ…?
    自分をモデルに絵を描いてもらえるなんて、なんか貴重な体験じゃん?
    だから…頑張って描いてね? 俺も協力するから…

syoko20:はいっ!! ありがとうございます


touma27:(M)そう言うと、彼女は嬉しそうな表情のまま、屋上を飛び出していった…
    ところで…何のために、僕は屋上まで呼び出されたんだろう


syoko21:す、据木君!! ごめんね!! 脱いで!?

touma28:はいはい…それが目的だったもんね?


touma29:(M)とりあえず…彼女の気持ちに応えて挙げられるかは分からないけど、
    彼女が一生懸命になって描いてくれる俺の絵の完成が、すごく待ち遠しかった
posted by UGP広報課 at 11:05 | Comment(0) | 声劇台本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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